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こんな住宅の基礎地盤、敷地に注意!

1.腐植土がある地盤
 腐植土と呼ばれる地層がある場合は要注意です。
 腐植土とは植物が分解されずに土の残っている地層です。類似した地盤としては有機質土(有機質粘土、有機質シルト)があります。この地層は非常に沈下しやすい地盤です。また、セメントを混ぜる地盤改良に対しても固まりづらい性質の土であり、地盤改良をしたのに沈下してしまったなどと言う事もよくあります。このような地盤では、鋼管やコンクリートの杭による補強が必要です。
 さて、問題はこの腐植土層の存在を確認出来るかです。スウェーデン式サウンディング試験では土質の判別が出来ません。ではどのように判別するのかと言うと経験豊富な技術者は腐植土層が存在する地域を把握しているです。その上でスウェーデン式サウンディング試験の結果を考慮し、判別します。

2.埋土地盤に注意!
 宅地が周辺(道路等)よりも高さが低い為、埋め戻された宅地は注意が必要です。盛土とも呼ばれます。埋土(盛土)が原因で沈下してしまう事もよくあります。
 まずは埋められてから、年数が経っていない埋土(盛土)は強度が安定していません。自然に堆積した土に比べ、強度のバラツキが大きい為、地盤調査で強度を把握するのも困難であり、不同沈下が起きやすい状態にあります。
 もう一つ、埋土(盛土)の危険性としては、新たに盛った土の重量も地盤にかかる事になります。50cmの土を盛ると木造2階建くらいの重量になります。その上に住宅を建てると言う事は戸建住宅を二つ重ねて、建てるようなものです。

3.擁壁がある宅地
 住宅の沈下事故の半分以上は擁壁が関わっています。擁壁がある宅地は要注意です。
 擁壁とは道路や隣地との高低差がある所に作る土を止める為の鉄筋コンクリートの壁です。通常は以下のようなL型の形状になっています。
  
 もちろん、適切に設計されていれば問題ないのですが、そうとも言えないケースを多々、見受けます。
 まず、擁壁を裏側は擁壁を作った後に埋め戻す部分になります。この部分の土は弱い状態になっており、不同沈下を起こす原因になります。次に擁壁下の地盤の補強が適切に行われておらず、建物を建てると擁壁ごと沈下してします事があります。通常、擁壁下の地盤にかかる力は建物下にかかる力以上です。建物基礎以上に慎重に設計する必要があります。

4.隣地が高い敷地
 建築の基準で崖条例と言う基準があります。これは崖崩れから、建物が被害を受けないように建物を建てられる範囲や構造を定めたものです。具体的には建物 が小さくなってしまったり、又は新たに擁壁を作る必要になる、建物を鉄筋コンクリート造にするなど建築にかかる費用が上がってしまいます。
 この条例は、隣地の土地の高さが高い場合、低い側の土地に適用される基準です。どの程度の高低差から、この条例が適用されるかは、各市区町村の基準によります。

崖下や隣地が高い土地を購入する場合は注意が必要です。

 さて、問題なのは良くあるケースですが、以下のような土地です。

・隣地側の高さが崖条例が適用される高さである。
・隣地との境界には隣地の方が作った擁壁がある。
・この擁壁は無許可で作られた。

 このような場合、擁壁があっても無許可である為、崖扱いになり、崖条例が適用される事になります。つまり、お隣さんが違法な事をした事に対し、 こちら側が費用を負担し、対策をしなければならないと言う事です。
行政に相談しても、隣地の方に違法な擁壁を作り直せとは言いません。また、直接、お隣さんに相談しても、まず、無理でしょう。

やはり、事前に専門家に確認を依頼する事が重要です。