地盤調査の方法
地盤調査には様々な方法がありますが、以下の地盤調査方法が一般的です。
・スウェーデン式サウンディング試験
・ボーリング試験(標準貫入試験)
・平板載荷試験
この中で住宅において最も多く行われている地盤調査方法はスウェーデン式サウンディング試験になります。理由は調査費用が安価
だからです。ボーリング試験(標準貫入試験)や平板載荷試験はビルなどにも用いられる地盤調査方法であり、住宅程度でも20〜30万円程度はかかります。一方、スウェーデン式サウンディング試験は3〜5万円程度で出来ます。もちろん、費用の分だけ精度も低くなる事になります。
他にも地盤調査には様々な方法がありますが、この3種類が無難です。地盤調査結果と地耐力を関係付ける基準を作るには数多くの地盤調査が必要です。これらの調査方法は最も多く行われている為、研究も進んでいます。
スウェーデン式サウンディング試験
スウェーデン式サウンディング試験とはスクリューの付いたロッド(鉄の棒)に錘(おもり)を載せ、地盤に貫入させ、強度を測る方法です。錘(おもり)は25kg(250N)、50kg(500N)、
75kg(750N)、100kg(1000N)と順じ、増やしていき、この重量を測定します。100kg(1000N)の錘(おもり)をかけても貫入出来ない場合はロッドを回転させ、回転数を測定します。
この錘(おもり)の重量が大きいほど、回転数が大きいほど地盤が強い事になります。
錘(おもり)の重量はWsw、回転数はNswと呼ばれ、試験結果は深さ25cmごとに以下のような報告書にまとめられます。
WswとNswの結果はグラフでも表示されます。このグラフが右にあるほど良い地盤と言う事になります。
スウェーデン式サウンディング試験からの地耐力計算方法
スウェーデン式サウンディング試験からの地耐力計算方法は建築基準法で定められており、以下の方法によります。
地耐力(kN/u) = 30 + 0.60×(基礎の下から2mの間のNswの平均)
ただし、建築基準法ではこの式を使うに当たっては、基本的に基礎の下から2mの間にNswが0の層が存在しない事、2〜5mの間に
Wswが500N(0.50kN)以下の層が存在しない事となっています。
※詳細な検討を行い、建物に有害な沈下が起きない事を確認出来た場合は許容できるものとなっています。
スウェーデン式サウンディング試験の問題点
安価で簡単に地耐力を計算出来るスウェーデン式サウンディング試験ですが、問題点もあります。
まず、地耐力の計算式ですが、この式では地耐力は30kN/u以下の数値はありません。住宅で必要とされる
15〜30kN/uの数値が求められません。
次に地盤調査方法としての問題点として、土質が判らないと言う点があります。地耐力と言うのは地盤調査結果で
同じ数値でも土質により、大きく変わります。
また、調査の能力も低いので少し堅い地盤があったり、石ころに当たったりすると調査が出来なくなってしまいます。
設計者は良い地盤なのか、石ころに当たっただけなのかを見極めなければなりません。
スウェーデン式サウンディング試験の結果を読み取るには、他の地盤調査よりも実はたくさんの経験が必要なのです。