HOME > 基礎地盤工法の種類

住宅の基礎形状

 建物の基礎の形状には様々な形状がありますが、木造住宅では一般的に布基礎か、べた基礎と言う形式にします。柱、壁の下に連続的に基礎を設ける形式を布基礎と言います。一方、建物下全面に基礎を設ける形式をべた基礎と言います。
 この二つの基礎を比べるとべた基礎の方が基礎の面積が大きくなるので地盤にかかる力(接地圧)は小さくなります。 木造2階建であれば接地圧は通常、べた基礎で15〜20KN/u、布基礎で25〜40KN/u程度になります。
 木造住宅では、シロアリ対策や1階床の沈下対策などの目的もあり、べた基礎の採用が多数をしめます。

地盤の補強

 地盤調査を行った結果、地盤がその建物を支えるのに十分な強度が無いとなった場合、地盤の補強工事を行います。ビルなどでは強固な地盤までコンクリートの杭を打ちますが、木造住宅ではそこまでの強度も必要無いので、主に軟弱地盤にセメントを混ぜ、固める地盤改良と言う工事を行います。
 地盤改良には表層地盤改良、柱状地盤改良と言われる方法があります。その他、小さい径の鉄骨やコンクリートの杭を打つ 場合もあります。

表層地盤改良と柱状地盤改良

 住宅の地盤補強工事で最も多い表層地盤改良と柱状地盤改良について説明をします。どちらも軟弱地盤にセメントを混ぜて、強化する方法です。

 良好地盤が比較的に浅い位置(2m程度まで)にある場合は建物下全面の地盤の強化を行います。この方法を表層地盤改良と言います。工事はパワーショベルのみで出来るので簡単に出来ます。
 この工法は現場でセメントの粉と混ぜる為、風があるとセメントが周辺の家の洗濯物などに飛び撒かれてしまい、住宅街では採用されずらい工法です。

 良好地盤が深くなると建物下全面の強化を行うのは不経済になるので専用の機械により、円柱状(杭状)に地盤の強化を行います。
 通常は直径60cmの柱状地盤改良体を2m程度の間隔で作ります。表層地盤改良に比べ、地盤改良を行う面積は小さくなりますので、通常は、より強固な深さまでの地盤改良が必要になります。また、柱状地盤改良と周面の摩擦力を利用して、建物を支える力をとる方法もあります。

その他の地盤補強工事

 住宅などで次に多い地盤補強工事は細い径の鋼管やコンクリートの杭による方法です。ビルなどの杭と違い強度が小さいものを使用しますので、柱状地盤改良と同じようにたくさんの本数の杭を打ちます。

 その他にも住宅向けの地盤補強工事はたくさんあります。ビルの地盤補強工事よりも多くの種類があります。しかし、そのような工法の採用は慎重に行う事が必要です。
 なぜ、住宅向けの地盤補強工事の方法が多いかと言うと木造住宅では確認申請で安全性の確認の審査が行われないからです。かなり眉唾ものの工法も多数あります。そのような工法を扱っている業者も小さい建物なので大丈夫だろうとの根拠の無い判断があるのでしょう。他と比べて、圧倒的に安くて優れた、どんな地盤にも万能な工法などありません。このような工法に飛びつくのは愚の骨頂だと思います